万葉歌と秋の野草を楽しむ

  立秋迎えると、朝晩はやや涼しさが感じられるようになります。蝉の声が何故かいとおしく感じられる初秋の高尾山と奥高尾入口であるもみじ台 を尋ね、可憐な花を咲かせる秋の野草を観察します。いろいろと沿道の野草につき、その特徴をお話しつつ、関連する万葉集の歌を楽しみます。秋の七草は万葉 集でかの山上憶良が詠んだ「芽子(はぎ)の花 尾花葛花撫子の花 女郎花(おみなへし) また藤袴朝貌(あさがお)の花」に載っている七種類を指します が、高尾山でもすでに撫子や藤袴は見られなくなりました。朝貌は現在のキキョウですがまだ9月初旬には薬王院境内で見ることが出来ます。ハギやクズは高尾 山頂やもみじ台で、また歌に詠まれた「たまばはき(コウヤボウキ)」、「つぎね(フタリシズカ)」も探してみましょう。さらにどんな秋の草花が見られるか 楽しみですね。さて皆さんは日本の四季のうち、春と秋とどちらが好きでしょうか?この優雅な論争はすでに7世紀の天智天皇の御代にあったことが万葉集に出 ています。額田王(ぬかだのおおきみ)が天智天皇より「春の花野と秋の千葉(せんよう)とどちらが見事か」と問われた時に、彼女は秋を選びました。その優 劣は別として秋の野草にまつわる古代の人々の情感を万葉歌を通して皆様と楽しく味わってゆきたいと存じ ます。

「道の辺の尾花が下の思ひ草 今さらさらに何をか思はむ」
「秋萩の咲き散る野辺の夕霧に 濡れつつ来ませ夜は更けぬとも」

上記2例は恋人を思う女性の切ない心情が詠まれています。尾花とはススキのことです。また思い草とは現在のナンバンギセルです。今回高尾山で見られるといいですね。

(ヤマハギ)
観察会実施要領
*実施場所:高尾山(ケーブル高尾山駅より歩き、高尾山頂・もみじ台へ)
*開催日  :平成28年9月(TBD)日 (先着10名)
*集合場所・時刻:京王高尾線高尾山口駅改札前 午前9時00分
*解散場所・時刻:ケーブル高尾山駅、午後2時ころ
*持参品  :昼食・飲み物、メモ帳・筆記用具、雨具(必要時)
*費用   :参加費・1500円(資料代込)、ケーブル片道・470円
(注1):雨天時は中止し、応募された方には開催日前日午後7時30分迄に電話連絡いたします。 

募集要項
*申込方法:参加希望日・〒住所・氏名・年齢・電話番号(お持ちの時は携帯番号もをお書きの上、 E-mail にて
開催日前日までに下記へお申し込みください。
 E-mail :  akiohatta@aol.com       Mobile 080-5098-8970
        森林インストラクター(登録No.1234号) 八田
 「万葉と野草」係
以上

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